非常事態宣言と株価
日本でもコロナの影響で、非常事態の宣言が行われる見通しだ。
見通しの報道があってから、株価は上昇している。
悪材料が出たことと予算の規模感からの期待の買いだと思う。
ホテルの株価が上がっては下げをしていたが、都市部における借り上げの期待だと思う。
翌日もホテル系のREITが上昇しているが、借り上げだけではなく、通勤自体が制限された場合の企業活動継続のために従業員を泊まらせるための宿としてのホテルの需要を見込んでいるのではないかと思う。
少なくとも6ヶ月程度は、経済活動が制限されて、エンタメ業界なども大打撃を受けるだろうし、都市部の外食産業も打撃を受けるだろう。
特需が存在するスーパーなど一部の業界でのみ株価は上昇していく。
前提に影響がある銀行、リース、保険などの金融業は下げていくと考えられる。
コロナの今後の見通しを考えてみる
中国の一部省で、企業活動が正常化に向かいつつあるとの報道がある。
中国国内の実態はわからないが、これが本当であるならば、封じ込め後のコロナの状況についてある程度予測ができるのではないかと思う。
- アメリカ
- 2/18 帰国したアメリカ人向け隔離施設の準備など
- 2/29 リーマン級の影響
- 3/11 1000人を超える
- 3/21 2兆ドル経済対策
- 3/22 各都市で人が消える。外出禁止に近い
- 3/24 ホテル業界で400万人が職をうしなうと予想
- イタリア
- 2/25 死者11人発生
- 3/09 25%の人の移動を制限,3500人死亡。中国を上回る
- 3/21 工場停止
- 3/25 6万人感染。火葬おいつかず
これで見えるのは、中国の封じ込めに成功した場所では経済活動が再開されつつあるということだ。ただ、株価を見るとそもそも中国はあまり下がっていない。
アメリカが40%近い下落をしているのとは大きい違いだ。
中国では封じ込めの結果。2ヶ月ほどで武漢以外はもとに戻りつつあるようだ。
しかし、アメリカとヨーロッパは全土に渡って拡大して、全土に渡って封鎖のような状況なので、2ヶ月では終わらないだろう。
封鎖を開始したのが、3月の半ばなわけだから、どんなに早くても5月半ばにならないと制限解除の話にもはないだろう。
アメリカの景気が悪くなれば、日本の景気も悪くなるので株価がこのままとは到底思えない。
日本状況は感染が拡大している状況ではないし、日銀が株を買いまくっているので株価はむしろここ数日は上向きだ。
しかし、前日終値から大きく下落した値段から始まり上昇して始まるというのが続いて、結果下落していたりするので、いびつな状況であることは明らかだと思おう。
ここ数日、上がっているので底を打ったという気持ちにもなる。
観光系のREITも上昇している。上がる要素はないのに上がっているので、明らかに思惑だけの値動きである博打の相場であると思うので、静観が現状は良いと思う。
やはり、4月半ばに3月の状況の速報値が出てから購入を考えるので十分だ。
暴落時の投資信託の積立について
投資信託を積み立てた場合は、上がるときも下がるときも気にせず積立続けていればマーケットの成長と共に資産も増えるという理屈だ。
ただ、暴落時は話が別なのかもしれないなとコロナの影響をみて感じている。
マーケットが20%~50%もシュリンクすることを積立投資では想定していないと思う。
減った資産がもとに戻るまでに10年くらいかかる。
その間に、それまで積み立てた現金がすべて使えなくなるというのは、ちょっと現実的ではないし積立というには不便すぎる。
投資信託とはいえ、利益が出始めたら下落が始まってから8%下がるなどの異常な状況が生まれたら、すぐに売却して現金にしておくのが望ましい。
幸いにして、積立を初めて1年足らずであったらのでダメージは1ヶ月分程度であったが、積立期間が長ければダメージも大きくなる。
また、積立していると意外と利益が出ている。
その利益分が減っても、まだ大丈夫と思いがちであったが、実際にはすぐに売却をするべきであった。
また、今回のようなタイミングで退職を迎えることを想定して、iDecoのリバランスを行って、元本保証型に変更していく必要がある。定年までを計算して、1年毎に分配率を計算し直そう。
株の上げ下げについて
最近のコロナの影響による株価の下落は10年に一度くら起こる減少なわけだが、毎日株価を見ていると、
昨日が底だったのかも。
と思えてしまう。しかし、過去のチャートを見てみると
月足でこれであるが、いかに今が、異常な急降下がわかる。
そして、急降下のあとに同じ速度でV字回復することはないということもわかる。
回復には、短くても2年、長ければ10年の歳月を要するわけだ。
リーマンショックや日本のバブル崩壊のその後の長引きの影響は債権にあった。
回収不能な債権を抱えて誰かがババを引くわけだが、ババを引いた企業はそれを返済していく。その間に投資が鈍る。雇用も鈍る。
結果的に、経済的な成長が実現しなくなる。
コロナの場合は、どうだろうか?
まだコロナが原因で焦げ付いた債権はないだろうと考えられる。
ただ、今後自粛により現金が動かなければ当然デフォルトを起こす企業も増えてくる。
そしてまたババを誰かが引くことになる。
問題は、そのババがどれほど生み出されるのかということである。
https://www.fsa.go.jp/status/npl/20190830/06.pdf
これを見るとリスク管理債権 残高(全国銀行ベース)はリーマン・ショック後も減り続けていることがわかる。
コロナショック前は健全な企業が多くなっていったということだ。
コロナの影響による自粛が3ヶ月以上続いた時に経済指標などがどうなるか次第で株価は変化すると思う。
ただ、多少楽観している面もある。内部留保も増え続けているので、それなりにどの企業も持つだろうということだ。
また、キャッシュリッチな会社がキャッシュのない会社を株価が低い時に買収。などということも起こりそうではある。前向きな株の取引自体が増えれば株価は全体に上がっていくだろうと思う。
ただ、
週足でみてもこれである。株の購入は4月以降で十分であると判断できると思う。
今、買い足していく必要はないと思う。
買うなら少額を少しづつだと思う。
ベリテ、JT、オリックス
- ベリテ
- 買 20/01/22 358 x 1000
- 20/02/17 358,000
- 売 20/03/10 258 X 1000
- 20/03/12 257,725
- 買 20/02/14 2,278 x 100
- 20/02/17 227,800
- 売 20/03/10 2,032.5X 100
- 20/03/12 202,975
- 買 20/02/14 1,908 x 100
- 20/02/17 190,800
- 売 20/03/10 1,465 X 100
- 20/03/12 146,36
三社とも完全に損だし、切り時を逃したが、これ以上の損失を出すわけにも行かないので、一旦全部現金化することにした。
リーマンショックなどを見ると上がったり下がったりを1月か2月単位で繰り返しながら、継続して下がっていく。
今日は日経も上がったが、一週間でみると下がると思う。株価が上がる理由は基本的には好業績になるわけだが、そのような情報はないので一時的なものに過ぎない。
リーマンの前は、破綻を回避したり破綻が噂されたりなど兆しはあって、下がっていった。
今回のコロナショックも、兆しはあった。
一番の兆しは、外出の制限やイベントの中止要請だろう。
それが実現すれば景気後退は明らかなのに売れなかったのは自分の願望にしがみついた感じがする。
現実を見てみれば、イベントの中止は継続しており、かつ延期が推奨されている。
ヨーロッパでもパニックが発生し、またアメリカでも1週間ほど遅れて同じような状況になることは明白だ。
そうなれば、更に株価は下がるだろう。
これは、予想できることだ。
今は買わないほうが良い。少なくとも4月以降に買ったほうが良い。3月の景気の動向が明確になるからだ。
リーマンショックと違うのは、回収できない債権が発生して、それが処理できないという状況にはないことだ。
そのため、経済活動自体が復活すれば景気の上向きも期待できる。
だが、それも4月以降に数字を見てからで遅くはない。
気になるのは日銀の動きだ。含み損を抱えるのは、最早不可避な状況にある。
その中で、株を売るという選択を日銀がした場合に、さらなる暴落が予想される。